三和グループのグローバル戦略

1986年に香港に三和シヤッター(香港)を設立したのを皮切りに、三和グループは同業他社に先駆けて、グローバル化を進展させてきました。現在では、世界27の国と地域で事業活動を展開し、高機能開口部のグローバルリーダーとして、主要地域である、日本・北米・欧州では、いずれも強力なプレゼンスを確立しています。

日本

業界特性・市場環境

シャッター業界は当社とほか3社で重量シャッター(ビル用、工場用、倉庫用などの比較的大きなもの)、軽量シャッター(ガレージ用、商店用の比較的小さなもの)ともに約9割のシェアを占める寡占状態にある業界です。重量シャッターは、非住宅向けの建設投資の回復やe-コマースの拡大により増加傾向にあります。軽量シャッターは、もともと、個人商店用がメインでしたが、近年は戸建住宅のガレージ用として設置されることもあり増加しています。また、激甚化する台風や豪雨対策として「耐風ガードシリーズ」や「ウォーターガードシリーズ」の需要が高まっています。

一方、ドア業界はシャッター業界と比較すると小規模な製造業者が多く存在する業界です。当社はほぼ受注生産ですが、規格製品を生産している業者も存在します。市場環境については、首都圏を中心とした大型再開発案件によりオフィス向けドアを中心に需要の拡大が続いています。

戦略

コアビジネスの強化、防災・減災・環境配慮商品の拡充とIoT電動化の推進、サービス事業の拡大を図っていきます。また、これらコア事業の関連・周辺事業へ事業領域の拡大を目指します。そして事業拡大に向けた体制強化として、人材育成の強化と生産性向上および施工力、製造力、供給力の強化に努めてまいります。

北米

業界特性・市場環境

日本ではシャッターと言えば開口部の上に設置されたケースにシャッターを巻き取って収納するタイプが主流ですが、欧米においては横長のパネルをつなぎ合わせたものをレールに沿って天井に水平にスライドするタイプのものが主流です。それらの製品は日本のような受注生産品ではなく、特にガレージドアは規格品が主体となっています。

戦略

北米事業では、引き続き、基幹事業の強化および成長に努め、周辺事業への拡大にも取り組みます。ODCのシェアが相対的に低い、開拓余地のあるニューヨークなどの大都市圏での売上拡大を図るべく、販売チャネルの強化策を実施するほか、住宅用・産業用ともに製品のラインアップを拡充しています。また、製造オペレーションを見直し、製造拠点の最適化に取り組み、生産効率化を図ります。また、2023年1月にDoor Control, Inc.他を買収し、北米での自動ドアサービスおよび施工ビジネスの更なる成長と拡販を進めています。

欧州

業界特性・市場環境

欧州のドア業界、ガレージドア、産業用ドアは、日本と比較すると規格品が多い市場です。ドイツの大手企業ハーマン社、スウェーデンの大手企業アッサアブロイ社などが主要競合相手となっています。

戦略

欧州事業では、構造改革を強力に推進するとともに、買収企業との統合シナジーの追求や、サービス事業の拡大を強力に推し進め、欧州市場でのプレゼンスを高めていきます。具体的には、セクショナルドアの生産能力拡大を期して、アルファ社のオランダ工場を拡張し、欧州市場における最大級の産業用セクショナルドア工場となりました。また、ポーランド工場で生産しているドックレベラーは、旺盛な需要に対応するため生産能力を拡大。サービス事業については、ボルトン・ゲート・サービス社との統合シナジーを推進していきます。
また、2019年5月のRobust社の買収により北欧地域および英国での拡販を進めています。さらに、2021年10月にフランスのManuregion社を買収し、フランス国内での販売網の拡充、サービス事業の拡大を推進しています。

アジア

連結対象の合計(宝産三和、安和金属工業、三和シヤッター香港、ビナサンワ、鈴木シャッター香港)

業界特性・市場環境

ASEAN・中国などアジア地域にも当社グループは進出していますが、売上は全社合計で100億程度の規模です。この地域では、一部の会社を除いて欧米企業のように現地企業の買収による進出ではなく、現地資本とのジョイントベンチャー(JV)による展開を行っています。したがって、販売チャネルの構築、施工技術者の育成などは自前で行う必要があります。

戦略

現状は、各国マーケットにおける基盤整備に注力しており、成長力強化を推進しているところです。ローカル化の更なる推進やグループ会社間の連携強化をはじめ、アジア域内での横断的な商機拡大にも挑戦し、次なるステージにステップアップしていく構えです。そして、設備増強による生産能力の大幅アップと販売体制の見直しや多品種化の推進により、日米欧に次ぐ第4の柱への基盤構築に努めてまいります。

2019年度から4社(宝産三和、安和金属、三和香港、ビナサンワ)を連結化し、2020年度から鈴木シャッター香港を連結化しました。また、2022年8月にアジアで初となるM&Aとして、香港のAUB社を買収し、香港とマカオの産業用シャッター/ドアアクセス市場における当社グループのサービスと顧客基盤の拡大を推進しています。

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