人材育成
方針
三和グループは、従業員の保有する能⼒を最大限に発揮できるような制度や職場環境の充実を通して、価値創造の原動⼒である人材の育成に注⼒します。
また、公正な評価・処遇の実践に向け、国や地域それぞれの労働市場や実態に基づき、最低賃金の遵守はもとより、従業員が働きがいを持つことができる賃金水準の維持に努めています。
国内の昇格や賞与は、成果に応じた業績評価および与えられた役割に対して発揮できた能力・行動を評価する能力評価をもとに決定されています。定期的な上司からのフィードバック面談を通して、成長のサポートと課題の明確化、組織の活性化を図っています。
中期経営計画2027「三和グループ人材戦略」
三和グループは、長期経営ビジョンで目指す姿「高機能開口部のグローバルリーダー」に向け、「中期経営計画2024」ではスキルマップを用いた人材育成など個の成長に重きを置きながら人的資本の強化に注力してきました。「中期経営計画2027」では、さらなる「人」への取り組み強化を掲げ、"個と組織の成長によりエンゲージメントを向上させ、働きがいと魅力あふれる企業となる"ことを目標に、「地域別経営戦略に連動した人材の確保、戦略的配置、能力開発」「安全で健康な職場づくりとウェルビーイングの推進」「エンゲージメント向上による組織パフォーマンスの最大化」という3つの人材戦略を策定し、施策を推進しています。

人材戦略 | 重要テーマ | 指標・目標 | 対象範囲 | |
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新規1人あたり年間研修時間:38時間(2027年度) | 三和シヤッター工業 | |
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新規デジタル教育(基礎編)受講率:90%(2027年度) | 三和シヤッター工業 | ||
新規デジタル教育(応用編)受講者数:70人(2027年度) | 三和シヤッター工業 | |||
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女性従業員比率 | 引き上げ25%以上(2030年度) | 連結 |
新規15%以上(2030年度) | 三和シヤッター工業 | |||
新規新卒女性採用比率:30%以上(毎年) | 三和シヤッター工業 | |||
女性管理職比率 | 引き上げ20%以上(2030年度) | 連結 | ||
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男性育児休業取得率 | 新規70%以上(2027年度) | 三和シヤッター工業 | |
引き上げ100%(2030年度) | 三和シヤッター工業 | |||
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継続肥満率(BMI25以上):30%(2030年度) | 国内グループ | ||
継続喫煙率:25%(2030年度) | 国内グループ | |||
継続ハイリスク者受診率:100%(2030年度) | 三和シヤッター工業 | |||
引き上げ有給休暇取得率:70%(2027年度) | 三和シヤッター工業 | |||
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経営職群向け株式付与制度導入 | 三和シヤッター工業 | |
エンゲージメントサーベイ実施検討 | 国内グループ |
- 新規「中期経営計画2027」において新しく設定したKPI
- 引き上げ「中期経営計画2027」において目標を引き上げたKPI
- 継続「中期経営計画2024」から継続するKPI
1.地域別経営戦略に連動した人材の確保、戦略的配置、能力開発
地域ごとの経営戦略に即した人材マネジメントを推進し、持続可能な成長と競争力の強化を図っています。安定的な業務遂行と経営戦略の着実な実現を支えるための人材確保、市場特性や顧客ニーズに柔軟に対応するための組織構造や人員配置の機動的見直しを行い組織の機能強化を図るとともに、必要なスキルを見える化し効果的な教育を行うことで、個と組織全体のパフォーマンスを向上させています。また、新たな付加価値を生むデジタル化戦略を推進する上で必要となる「デジタル人材」の育成にも注力しており、デジタルスキルに関する基礎知識や専門知識の習得を支援しています。
2.安全で快適な職場づくりとウェルビーイングの推進
価値創造の担い手である従業員の一人ひとりが心身ともに健やかに安心して働き続けられる環境整備、報酬・福利厚生の充実を通じて、ウェルビーイングの向上を目指しています。安全衛生管理の徹底、健康課題(高い喫煙率と肥満率)への対応、メンタルヘルス支援等、主体的かつ戦略的に従業員の健康づくりを実践し、健康経営を推進しています。また、ライフステージや個々の事情に応じた柔軟な働き方を支援するため、時間単位有休の導入、子どもの看護休暇と育児休業期間の一部有給化、育児短時間勤務制度と子どもの看護休暇の対象範囲拡大(小学校6年生までの子どもを養育する者)など、多様性を尊重し、誰もが能力を発揮できる職場づくりを推進しています。
3.エンゲージメント向上による組織パフォーマンスの最大化
従業員一人ひとりのエンゲージメントを高めることで、組織全体のパフォーマンスを最大化し、持続的な成長と価値創出の実現を目指しています。「安全、安心、快適を提供することにより社会に貢献する」という使命、共通の価値観である経営理念とそれを実践するために各人が心掛けるべき行動指針について、定期的に経営層からメッセージを発信し、対話を行うことで、共通の目的意識を醸成しています。また、三和グループには、すべての業務において問題意識をもって改善を積み重ねるPDCAの精神が根付いており、これは経営層から従業員一人ひとりまでの日々の仕事に組み込まれています。組織の方向性と個人の役割を結びつけることで、従業員の主体性と貢献意欲を高め、組織全体のパフォーマンスを向上させています。今後はエンゲージメントサーベイの実施を予定しており、その結果をもとに、組織課題の特定と改善施策の実行を継続的に行い、組織力の強化と業績向上につなげていきます。
人材育成プログラム
研修体系は、職場内教育(OJT)、日常業務を離れて行う職場外教育(Off-JT)、従業員自らが取り組む自己啓発から構成されています。経営目標達成のためのプロ人材育成、職務遂行能力の向上等を図るため、会社の方針に基づき計画的かつ体系的に実施しており、カリキュラムに対する評価、受講者へのフォローを行うことでより高い教育効果を目指しています。
研修体系図(国内グループ)

階層別プログラム
三和グループでは、役職、勤続年数、役割に応じて、各階層に求められるマインド・スキル・知識・手法などの習得を目的とした階層別研修を実施しています。
対象 | 研修名 | 目的 |
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新卒入社者 | 新入社員研修(三和プロ人材育成プラン) |
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フォローアップ研修(入社2年目、入社3年目) |
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中途入社者 | 中途社員研修 |
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新入社員のOJTリーダー | OJTリーダー研修 |
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中堅社員(特定の等級) | 中堅社員研修 |
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課長層 | 新任管理者研修 |
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受入所課長研修 |
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三和経営塾

三和グループでは、経営者の大局的な視野・視座・視点で物事を考えられるリーダーを育成するための独自の養成プログラム「三和経営塾」を2002年度より開講しています。所課長クラスを対象とした「アドバンス」、次期経営幹部クラスを対象とした「エグゼクティブ」の2コースがあり、修了時には企業価値向上につながる革新的な施策提案について、社長や役員にプレゼンテーションを行います。今まで述べ500名を超える塾生を輩出し、現在、役員をはじめ各部門のリーダーとして三和グループを牽引しています。
グローバル人材の育成

三和グループは、三和グローバルビジョン2030において「高機能開口部のグローバルリーダー」となることを目標に掲げグローバル展開を加速させており、それに伴い、語学力やコミュニケーション能力だけでなく、異文化理解、主体性、チャレンジ精神など、多岐にわたる能力を持つ「グローバル人材」の育成にも注力しています。
具体的には、1年間の海外実地研修(米国ODC)や語学研修プログラム(英語eラーニング)を実施しています。
また、グループ会社間での人材交流として国内から約20名の従業員がODCやNF、アジア各社へ派遣されており、三和グループのビジョンや戦略を海外拠点に浸透させ連携を深めることで、グループの一体感を醸成しています。
デジタル人材の育成
労働人口の減少に伴う人手不足や、多様化するニーズに迅速に対応し企業の競争力を維持していくためには、デジタル技術の活用が不可欠です。その中心となるのがデジタル人材であり、ITやデジタルスキルに関する知識を正しく理解し、その上で業務改革や生産性改善を推進、先導できるような人材を育成すべく、教育を進めています。2024年度より、従業員のITリテラシーの底上げを目的としたeラーニングをスタートしており、プログラムは、デジタル活用の必要性、ITモラル、セキュリティリテラシー、データ収集、活用スキル、DX基礎知識など多岐に渡る項目を対象としています。セキュリティリテラシーに関するeラーニング(動画視聴および確認テスト)の受講完了率は92.4%でした。
経営参画意識の醸成
当社では、国内グループ全従業員を対象に自社株式の購入を奨励する「従業員持株会」を設けており、各種施策や拠出金に対する奨励金付与などを通じて加入促進を図り、従業員の経営参画意識の向上や、従業員の長期資産形成の支援を推進しています。
FOCUS
「キャリアアップ研修」(女性社員向け)を実施しています

社歴10年以上の女性社員を対象として、将来の管理職候補となる人材育成とそれぞれのキャリア形成のため、2022年度より新規に「キャリアアップ研修」を開催しました。研修を受講し、女性ならではの特性やキャリア課題について考えたうえで、あらためて今の自身のワークとライフに向き合い、自分をポジティブに見つめ直すことで、キャリア形成の意欲を醸成しました。
施工技術者の確保・育成
施工研修センター

三和シヤッター工業では、施工技術者の技術力強化や継続的な採用・育成に向け、高い水準と全国規模の育成基盤を確立しています。
施工技術者の育成強化を目的とした専門の研修施設を2008年に開設し、施工品質向上、施工技能のスキルアップを図っています。
施工研修センターでは、年間延べ1,000名を超える技術者がスキル向上のため積極的に受講しており、施工研修では経験豊かな講師による、「新入施工技術者研修」や19分類105製品ごとに取付資格を付与する「製品取付資格認定研修」などを行っています。
施工品質を高めることはもちろんですが、基本戦略である多品種化に対応できる「多能工」となるべく施工技術者の育成にも努めています。