方針
三和グループは、気候変動リスクへ適切に対応するため、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減に努め、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。
CO2排出量削減目標と推移
三和グループは、自らの事業活動が地球環境に与える影響を認識し、その影響軽減のための対策を講じることの重要性を認識していることから、2022年5月に新しい環境目標およびカーボンニュートラルに向けた方針を新たに定めました。
CO2排出量(Scope1+2)
削減目標
2024年度
2019年度比10%削減
※三和シヤッター工業
2030年度
2019年度比30%削減
※三和シヤッター工業
2050年度
三和グループとして事業活動に伴う
CO2排出量実質ゼロを目指す
CO2排出量の推移(国内・海外)
※第三者検証に伴う算出方法の見直しにより、2022年12月に2019年度~2021年度の国内数値を更新しました。なお、2019年度分より調整後排出係数を採用しています。
※2022年度の海外分数値について、集計に誤りがあったため修正しました(2023年10月)。
訂正前 :(Scope1) 21,482 t-CO2 (合計) 79,016 t-CO2
訂正後 :(Scope1) 21,239 t-CO2 (合計) 78,773 t-CO2
※2021年度の海外分数値について、集計に誤りがあったため修正しました(2023年11月)。
訂正前:(Scope1) 29,040 t-CO2 (Scope2) 19,590 t-CO2 (合計) 75,500 t-CO2
訂正後:(Scope1) 23,820 t-CO2 (Scope2) 20,735 t-CO2 (合計) 71,425 t-CO2
エネルギー使用、CO2排出量削減への取り組み
三和シヤッター工業をはじめとする国内グループでは、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築・運用し、エネルギーの削減および効率化、CO2排出量削減に関する目標を設定して、気候変動の影響軽減に取り組んでいます。
CO2排出量(Scope1+2)の推移 (三和シヤッター工業)
※第三者検証に伴う算出方法の見直しにより、2022年12月に2019年度~2021年度の数値を更新しました。2019年度分より調整後排出係数を採用しています。
※2021年度および2022年度の三和シヤッター工業CO2排出量は、一般社団法人日本能率協会地球温暖化対策センターによる第三者検証を受けています。
三和シヤッター工業では、CO2排出量削減目標達成に向け、生産拠点(工場)・非生産拠点(事務所)におけるScope1(事業活動に伴う直接排出量)およびScope2(事業活動で使用したエネルギーの製造段階における間接排出量)を算定し、削減する取り組みを行っています。
工場においては、Scope1削減への取り組みとして、省エネ設備への更新、生産性向上による設備稼働時間の削減等、Scope2削減への取り組みとして、再生可能エネルギーの活用、LED照明への切り替え、デマンド監視システムで電気の使用量を「見える化」することによりエネルギー使用量の抑制を図っています。
三和シヤッター工業太田ドア工場では、2021年3月、塗装の乾燥に従来はボイラーを使用していたものを電気式ファンヒーターに切り替えたことで、灯油の使用量を半分以下に低減しました。
2021年12月には、太田ドア工場の物流棟屋根に太陽光発電設備を設置しました。パネルの総面積は約3,500m2で、2021年度は約73t、2022年度は約280tのCO2排出量削減に貢献しました。
また、2023年7月、三和シヤッター工業の九州工場敷地内に太陽光発電設備を設置しました。パネルの総面積は約7,000m2で太田ドア工場の約2倍で、年間約460トンのCO2排出量削減を見込んでいます。
事務所においては、LED照明への切り替え、空調設備の更新等にくわえて、営業車のガソリン使用量の削減へ向けたエコカーへの切り替えを積極的に実施しています。
これらの取り組みの結果、出荷量の増加に伴う工場の電気・燃料使用の増加に関わらず、2022年度の三和シヤッター工業のCO2排出量(Scope1+2)は、前年比0.1%減少し、2019年度(基準年)比6.6%減少しました。
国内全体では前年比0.2%増加しています。
物流エネルギー削減の取り組み(三和シヤッター工業)
三和シヤッター工業では、省エネ法の特定荷主として「エネルギー原単位の年1%削減、かつ5年度間平均原単位1%改善の継続」を達成するため、首都圏や仙台、四国のデポ(小規模配送センター)を活用した多品種混載配送の実施に取り組むほか、2020年7月より、配車・倉庫管理システムを導入し、配車業務の効率化および入出庫・在庫管理の強化を推進することで、積載率の向上を図り、配車台数の削減に努めています。
エネルギー使用、CO2排出量削減への取り組み(北米)
2021年度分よりODC本社および全工場のCO2排出量(Scope1+2)の集計を開始しています。2022年度実績は、28,724t-CO2(Scope1:7,448t-CO2、Scope2:21,277t-CO2)でした。
ODCのPensacola工場(フロリダ州)では、エネルギー効率に優れた空調システムを導入し、照明や空調をコンピュータ管理することで無駄な使用を抑制しています。
また、Pensacolaのセールスセンターでは天窓の設置、Williamsport工場(ペンシルベニア州)では全照明のLED切り替え、メキシコのMatamoros工場では、外部照明をワット数の低い電球に変更するなどエネルギー使用量の削減に努めています。
エネルギー使用、CO2排出量削減への取り組み(欧州)
2021年度分よりNFグループ本社および全工場のCO2排出量(Scope1+2)の集計を開始しています。2022年度実績は、20,595t-CO2(Scope1:13,354t-CO2、Scope2:7,241t-CO2)でした。
NFグループでは、ドイツのRiexinger工場、ポーランドのNF Door工場、スウェーデンのRobust社工場、ドイツの販売会社VertriebsでISO14001を取得し、使用エネルギーの削減に努めています。LED照明への切り替え、人感センサー・明暗センサーの導入で電力使用量および電気代の削減に貢献しています。2023年4月にイギリスのLuton工場とイタリアのSchievano工場に、2023年5月にはスペインのAlsal工場に太陽光発電設備を導入し、CO2排出量の削減に努めています。
エネルギー使用、CO2排出量削減への取り組み(アジア)
2022年度分より、アジア連結子会社の本社および全工場のCO2排出量(Scope1+2)の集計を開始しました。
2022年度実績は2,517t-CO2(Scope1:438t-CO2、Scope2:2,080t-CO2)でした。
※2022年度のアジア分数値について、集計に誤りがあったため修正しました(2023年10月)。
訂正前 :(Scope1) 680 t-CO2 (合計) 2,760 t-CO2
訂正後 :(Scope1) 438 t-CO2 (合計) 2,517 t-CO2
2023年6月に、上海宝産三和の工場に導入した太陽光発電設備が稼働開始し、CO2排出量および電気代の削減に貢献しています。
Scope3への取り組み
カーボンニュートラルな社会の実現のためには、自社のみならずサプライチェーン全体でのCO2排出量削減が必要となります。 サプライチェーン全体のCO2排出量削減への第一歩として、2023年度よりScope3の算定を開始しました。 まずは、原材料として鉄鋼等の金属材料を多く使用していることから、三和シヤッター工業のカテゴリー1(購入した製品・サービス)について、主要原材料である鉄、アルミ、ステンレスの購買重量をもとに算定しました。 併せて、カテゴリー3(Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)と、カテゴリー4(輸送、配送(上流))の一部について算定しています。 なお、カテゴリー1とカテゴリー3のCO2排出量は、環境パフォーマンスデータの信頼性向上を目的として一般社団法人日本能率協会地球温暖化対策センターによる第三者検証を取得しています。
Scope3排出量の算定結果および算定方法
対象年度:2022年度(2022/4/1~2023/3/31)
適用範囲:三和シヤッター工業
項目 | CO2排出量 (t-CO2) |
算定方法 | 第三者 検証 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
活動量 | 排出原単位 ※ | |||||
Scope3 | 303,511 | ― | ― | |||
カテゴリー1 | 購入した製品・サービス | 286,045 | 鉄、ステンレス、アルミの購買重量 | 各購買重量あたり排出原単位 | 〇 | |
カテゴリー3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 4,807 | 燃料、電気のエネルギー使用量 | 各エネルギー量あたり排出原単位 | 〇 | |
カテゴリー4 | 輸送、配送(上流) | 12,659 | 荷主分の輸送に係る燃料(軽油)使用量 | 軽油の重量あたり排出原単位 |
※サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベースVer.3.3および国立研究開発法人産業技術総合研究所 IDEA Ver2.3を使用
Scope1、2、3排出量実績および構成比
2022年度のScope1、2、3(カテゴリー1、3、4)排出量の実績は合計325,819トンで、Scope1排出量は10,316トン(全体の3.2%)、Scope2排出量は11,992トン(全体の3.7%)に対し、Scope3排出量(カテゴリー1、3、4)の合計は303,511トンであり、全体の93.2%を占める結果となりました。 特にScope3カテゴリー1の排出量は、286,045トンで、全体の87.8%(Scope3内の構成比では94.2%)と大部分を占めていることが分かりました。 来年度以降は、製造企業として関連の深いカテゴリー11(販売した製品の使用)=販売した製品をお客様が使用することで生じるCO2排出量をはじめ、算定カテゴリーを順次拡大してまいります。
対象年度:2022年度(2022/4/1~2023/3/31)
適用範囲:三和シヤッター工業
項目 | CO2排出量 (t-CO2) |
構成比(%) | 第三者 検証 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
全体構成比 | Scope3内構成比 | |||||
Scope1 | 10,316 | 3.2 | ― | 〇 | ||
Scope2 | 11,992 | 3.7 | ― | 〇 | ||
Scope3 | 303,511 | 93.2 | 100.0 | |||
カテゴリー1 | 購入した製品・サービス | 286,045 | 87.8 | 94.2 | 〇 | |
カテゴリー3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 | 4,807 | 1.5 | 1.6 | 〇 | |
カテゴリー4 | 輸送、配送(上流) | 12,659 | 3.9 | 4.2 | ||
合計 | 325,819 | 100.0 | ― |
※数値は四捨五入のため、合計が100%にならない場合があります。
外部団体との協働
三和グループは経団連のメンバーとして気候変動に関わる情報交換などを行っています。また、一般社団法人日本シヤッター・ドア協会は、気候変動の緩和に資する高速シートシャッターなど省エネに寄与する商品の普及拡大に取り組むとともに、気候変動に起因する自然災害の激甚化に耐えうるレジリエントな社会の実現に向け浸水防止用設備の普及に努めています。なお、同協会の歴代の会長には三和シヤッター工業代表取締役からも就任するなど積極的に運営に関わっています。
三和シヤッター工業は、国の気候変動に関連する法規制である省エネ法を遵守し、年1回、行政へエネルギー使用量、省エネルギー目標の達成状況、温室効果ガス排出量の報告書を提出しています。